ここでは包茎手術後の傷跡(きずあと)としてよく言われる「ツートンカラー」について詳しくお伝えいたします。
また基本的にツートンカラーと言われる傷跡はいわゆる環状切開法という手術方法で行ったときにおこりますが、環状切開法を行ったときによくおこる「ペリカン変形」についてもお伝えいたします。
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○包茎手術のデザインについて
○環状切開法とは:亀頭直下切除との比較
○環状切開法によるツートンカラーについて
・亀頭直下法によるツートンカラーの修正術について
・亀頭直下法による修正のメリット・デメリット
○包茎手術後のペリカン変形について
・包茎手術後のペリカン変形に対する修正術
○亀頭直下法による修正術の症例紹介
・ツートンカラー修正症例画像
・ペリカン変形修正症例画像
・エピソード
○包茎手術全般について
○嵌頓(かんとん)包茎について
包茎手術の包皮の取り方は主に3種類あります。
また、真性包茎や嵌頓包茎の場合には小児に対して行う背面切開法というものがあります。
包皮の余りを計測して陰茎の真ん中付近で輪状に切除します。
傷は陰茎の中間付近にできます。
包皮をの余りを計測して亀頭の直下から切除します。
傷跡は亀頭の直下にできることになります。
陰茎の根元付近で皮膚を切除します。
傷跡は陰毛に隠れると表現されますが、人によっては隠れていないこともあります。
3種類の包皮の切除方法のうち、環状切開法はいわゆる泌尿器科学の教科書にも載っている非常にスタンダードな手術方法になります。
包皮の余り部分を計測して陰茎部分でその距離を輪状に切除します。
手術のデザインが極めてシンプルであるため気を付けることは包皮口の絞扼輪の存在だけを気にすればあとは特に難しいことを考える必要はありません。
その意味において外科医であれば広く習得しやすい手術になります。
亀頭直下切除法との違いは傷跡の位置になります。
環状切開法の場合は傷跡が陰茎の真ん中付近に一本の輪状の傷になります。
一方、亀頭直下切除法の場合は亀頭の直ぐ下にくることになります。
環状切開法はその位置によって平常時でも傷跡が見えることがあり、勃起をするとさらに目立つことが多いです。
亀頭直下切除法は亀頭の直下に傷跡があるため、平常時では自然に傷跡が隠れ、勃起をした時でもさほど目立たないという特徴があります。
しかしながら、亀頭直下切除法はデザインの仕方が複雑であることと亀頭直下の内板包皮は外板包皮とは違い、慎重に切除を行う必要があります。(術後の感覚に影響します。)
写真からもわかる通り、包茎の包皮切除を陰茎の真ん中付近で行う環状切開法はその傷が陰茎の真ん中にできてしまいます。
そのため、包皮の内板と外板の色の違いがくっきりと出てしまします。
これをよく「ツートンカラー」と表現します。
このツートンカラーはしょうがないと言えばしょうがないのですが、見た目としてはやはり気になることが多いと思います。
特に、陰茎包皮の色調が黒っぽい方は包皮内板の赤色とのギャップが強くより目立つ傾向にあります。
最近の包茎手術はこのデザインを避けるために自由診療専門の男性形成クリニックでは亀頭直下切除法を行うことが多くなっています。
このツートンカラーの状態を修正したいというご相談はよくあります。
修正方法の多くは傷痕(きずあと)を亀頭直下に持ってくるように追加で包皮を切除することで解消します。
しかしながら包皮に余りがなければ追加切除を行うと皮膚が足りずに勃起時につっぱってしまうなどの現象が起こり得ます。
ですので、修正が必ずしも可能という訳ではありません。
「修正」と言うとツートンカラーの状態が悪いというイメージになってしまいますが、必ずしもそうではありません。
環状切開は教科書にも載っているスタンダードな手術方法ですので、好みの問題ということになります。
見た目で気になっていなければ敢えて修正をする必要はありません。
もしも、まだ手術を受けていない方で傷痕の位置が気になる場合には各医院で手術方法は違いますので手術前にご確認されるとよいと思います。
包茎手術後に陰茎小帯(いわゆる裏すじ)部分が膨らんでペリカンの口のような形になってしまうことがあります。これを「ペリカン変形」とよく表現します。「裏腫れ(うらばれ)」ということもあります。
このペリカン変形はどのような包茎手術の方法を行っても起こる可能性がありますが、環状切開法の場合はかなりの確率でおこります。
(ちなみに包茎手術に関係のない亀頭増大術などでも一時的に起こることがあります。)
包茎手術ではとくに縫いよせる皮膚同士の周径の違いから起こることが多く、亀頭に近い側の周径が大きいと環状切開の場合はとくに起こりやすくなります。
また、包皮口(絞扼輪)が狭い場合にはその位置に注意したデザインを行わなければ確実に起こってしまう変形となります。
この変形の中身は初めはリンパ液による浮腫(むくみ)がメインですがやがて瘢痕化してくることがあります。
単純にリンパ液による浮腫が引いたところでペリカン変形も改善することがありますが、瘢痕化して形が残った場合には永続的に形が残ることになります。
ペリカン変形の修正術はその部分のみを切除することもあれば、亀頭直下切除法による包茎手術またはそれに近い方法で変形部分ごと切除することもあります。
ペリカン変形は一時的な浮腫みによって起こっている場合と永続的に残る場合があります。
したがってできれば変形が出たとしても3ヶ月から半年程度は様子を見た方がよいです。
永続的に残りそうだと思っていても案外しぼんでくることもあります。
包茎手術後のツートンカラーおよびペリカン変形に対する修正術の症例をご紹介いたします。
以前に他院泌尿器科様で包茎のことについてご相談されたところ、包茎手術をよく行っている泌尿器科医院をご紹介され、通常の包茎手術をお受けになられたとのことでした。
術後の経過としてツートンカラーおよび包皮小帯のペリカン状の形がご本人様としては気になるとのことで手術をしてくださった先生に術後のご相談にいかれたところ様子をみるように言われたとのことでした。
そこで別の医院様にご相談にいかれたところ「今すぐ治療をしないと手遅れになる。費用は約50万円」とご説明をお受けになられたということでした。
(多くはこのような状態の修正術の相場は50万円~のようです。)
その後、当院にもご相談に来られました。
当院の診察した限りでは急がずにむしろ経過を待ってから評価をした方がよいと判断したため、その旨をお伝えいたしました。
後日、ご本人様の希望があり修正術を行わせていただきました。
医療というものは手術方法も術後の経過に対する判断も病院によって考え方が違って普通です。
気になることがあれば複数のクリニックを受診されてみるとご自身の価値観にあうクリニックが見つかるかもしれません。
通常費用 | モニター費用 | |
包茎手術後修正 | 22万円~ | 16.5万円~ |
包茎手術後傷痕修正 | 5.5万円~ | 5.5万円~ |