屈曲ペニス(湾曲ペニス)修正手術

ドクターライトをつけて屈曲ペニスの精密縫合を行う石川院長の画像です。

こちらでは、屈曲ペニス(湾曲ペニス・陰茎湾曲症)の修正手術についてお伝えします。
屈曲ペニス修正術は独特な手術であるため限られた医療機関でしか行われておりません
また手術中に修正具合を確認できる当院の独自の方法(NS paraerection法)についても触れています。

屈曲ペニス(湾曲ペニス)とは?

陰茎が途中で「くの字(への字)」に曲がっている状態を屈曲ペニスと言います。言葉がわかりにくいため「曲がったちんこ」とか「曲がったペニス」と言われたりもします。
陰茎の曲りは通常時にはさほど目立ちませんが、勃起すると症状がよりはっきりとします。

陰茎の曲りは、性交時の挿入困難やパートナーが苦痛を覚えるなどの機能的問題さえなければ必ずしも治療が必要なわけではありません

屈曲ペニスの修正は専門的な技術が必要であるため、どこのクリニックでも行っている治療ではありません。
相談される医療機関をじっくりと見極める必要があります。

目次

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○屈曲ペニス修正手術の症例紹介
○屈曲ペニスについて(なぜ曲がる?自然に治る?)
○屈曲ペニス修正手術の詳細
 -----傷跡について

屈曲ペニス(湾曲ペニス)修正手術の症例紹介

屈曲ペニス修正術+上反り形成例

千葉県成田市 20代男性

術前 側面

術後 側面

術前 上から

術後 上から

屈曲の角度はそれほど強くないのですが、やや上反りを希望されました。非常に勃起しやすい方でしたので手術後想定以上の腫れが生じ、見えない絞扼輪による締め付けが起こったため、後日、絞扼輪除去目的で包茎手術を行いました。

曲りをまっすぐするのみならず上反り(うわぞり)にすることや根元からの角度を上げることも可能です。

屈曲ペニス修正例

東京都世田谷区 20代男性

術前

術後

屈曲の修正と同時に包茎手術も希望されました。根元からの角度はご本人の希望がなかったのでそのままにしています。

コンプレックスであった下向きペニスを自然にまっすぐに修正した例です。

屈曲ペニス修正例

茨城県筑西市 40代男性

術前

術後

根元の角度がしっかりあるので真っすぐすることにより上向きのいい角度になりました。

結婚して子供もいるので特に不自由はしていませんでしたが、治せるってことを知らなかったとのことです。真っすぐになったことに感動していただきました。

屈曲ペニス修正例

術前

術後

術前

術後

下向きへの強い屈曲と若干の左への屈曲の修正を行いました。下向きを真っすぐにするために縫合点は2対4ヶ所12針、左向きを真っすぐにするための縫合点は1ヶ所3針の計15針の縫合になりますが、費用は2方向になります。

屈曲ペニス(屈曲陰茎・湾曲ペニス)について

なぜ曲がるのか?

陰茎の屈曲の原因は海綿体を包む白膜の上下左右に固さや伸縮、長さに差があると、白膜が短い側に曲がってしまいます。
平常時はほとんどわかりませんが勃起するとそこから屈曲してしまいます。
病気や外傷(けが)以外で起こっている場合は個人の体質というほかなく、たまたま白膜の長さの非対称があるというにすぎません。
耳たぶの大きさが右と左で大きさが違う方はたくさんいますが、そのようなものだと捉えてさしつかえありません。
成長期を過ぎて、真直ぐだった陰茎が曲がり始めた場合はぺイロニー病の可能性を考慮する必要があります。

曲がる方向について

屈曲陰茎修正術は左右への曲りも修正できます。

曲がったペニスの修正のご相談に来られる方の中で最も多いのは陰茎が下方向へ湾曲している方のご相談です。根元から下方向を向いてさらに下向きに曲がっている方もいれば、根本は水平からやや上を向いていても途中から下方向へ曲がっている方もいます。
また、左右の曲りでのご相談も同様にあり、下方向への曲りと左右の曲りが同時に起こっていることがほとんどです。

左右の曲りの場合、当院の治療経験からは左方向への曲りがやや多いです。(ただしこれは当院のみでの話ですので世界の統計では分かりません。)
下方向への曲りが主に気になる場合、左右の曲りが軽度の場合は左右は治療されなくても満足される方もいらっしゃいます。

屈曲ペニスは自然に治る?

よく言われている自慰の方法や下着の履き方などが原因で起こることではないので、自慰(オナニー)の方法の変更や下着の履き方を変える、あるいは矯正器具の使用などの手術以外の方法で治ることはなかなか難しいと考えています。
勃起時の海綿体を包む白膜は想像を超える圧力があり、それらを簡単に治せる方法はありません。また、白膜に矯正力を与えるには勃起時でなければ不可能なので、勃起していないときに矯正するということは理論的にもおかしいといえます。

屈曲ペニス修正術を受けるタイミング・時期について

屈曲ペニスの修正相談は年代を問わず幅広くいただいております。その中でも特に多いのが20代前半の方々です。悩みそのものは中学生の頃から持っている方が多く、これからの人生を考えて20代の早い時期に治療をお受けになることが多いようです。
また、未成年の方でも、親権者の同意を得て治療されるという方も多くいらっしゃいます。

このように屈曲ペニスを修正できることを知らずにコンプレックスを持たれていた方々が年代を問わず治療をお受けになることも少なくありません。

屈曲ペニス修正術の種類

屈曲ペニス修正術の方法についていくつかご説明いたします。
治療方法の全体像を知っておかれるとよいと思います。
実際にはどのような治療方法で行うかはクリニックごとに大きな差があります。

海綿体白膜切開短縮

海綿体白膜切開短縮による屈曲修正の手術法を説明しています。屈曲した外側の白膜を切開して短縮することによって屈曲を修正します。

曲がっている方向の反対側の海綿体白膜を短縮させることによって陰茎をまっすぐにします。
一カ所の処置でまっすぐにならない場合は調整をしながら数カ所の処置をおこないます。
始めは縫合処置の力で矯正しますが、やがて処置を行った白膜部分が癒着をして強い状態になります。
欠点は白膜を短縮する箇所があるため陰茎海綿体自体は少し短くなってしまいます。
そのため陰茎も長さとしては若干短くなる傾向にありますが、それを気にされる方はほとんどいません。

海綿体白膜への組織移植

海綿体白膜への組織移植による屈曲修正の手術法を説明しています。屈曲した内側の白膜を切開して伸展させ、他から採取した組織を移植することによって屈曲を修正します。

曲がっている方向の白膜を切開してその部位に組織移植をして海綿体白膜を伸ばすことで陰茎をまっすぐにします。
海綿体白膜切開短縮による方法の逆側の処置を行うことによって伸ばそうという発想です。
手術中に出てくる陰茎包皮の一部を加工して移植することもあれば別部位からの筋膜移植を行うこともあります。
屈曲陰茎(湾曲ペニス)は下方への屈曲していることが多いため、陰茎海綿体と尿道海綿体を分離させることが必要になるため、手術の侵襲は海綿体白膜切開短縮にくらべて大きなものになります。
欠点は矯正具合の微調整が難しいという点です。
部分的に海綿体白膜切開短縮を併用することもありますが、日帰り手術では困難な場合が多いため一般的な方法ではありません。

埋没糸による白膜短縮

海綿体白膜切開短縮のように曲がっている方向の反対側の白膜を短縮する目的で糸をかけることによって修正を試みる方法です。
針孔数カ所程度の傷はできますが皮膚を大きく切開しないというメリットがあります。
欠点は強制力が極めて弱いため、若干の効果しか期待できないという点にあります。
しっかりと矯正したい場合にはお勧めできない方法となります。
(ややなんちゃって手術の雰囲気があります。)
また、皮膚と陰茎が縫合点で癒着するため、その部分だけ動かなくなってしまいます。

海綿体白膜短縮による屈曲修正の考え方について

一方向の屈曲を治すのには数カ所の白膜処置を行うことが多くあります。

一カ所のみの白膜短縮を行うと「カモメの羽」のように二つの弧状の形になってしまいます

そこでまず①で白膜処置を行った後、また先の②で処置することによってより自然に真直ぐにすることができます。

このように屈曲部分を真直ぐにするには実際には数箇所の白膜を処置する必要があります。
また、勃起時の角度を変えるには③の部分で処置をして根元から屈曲修正をすることも可能です。
同時に左右の曲りを矯正することも可能です。

海綿体白膜短縮のアプローチ方法について

屈曲陰茎の修正を行う際に、アプローチ=どこを切開して短縮縫合を行うのかにより方法が大きく二つに分かれます。
一つは、修正箇所の部分の皮膚を切開してい白膜に到達する方法です。
もう一つは亀頭直下の皮膚を切開して海綿体白膜を露出して行う方法です。

前者の修正箇所の皮膚からアプローチをする方法は大きく剥離する必要がなく、体への侵襲は少ないのですが、修正箇所ごとに傷がつくことになります。
傷は長期的に見ればそれほど気にならなくなりますが、それよりももっと大きなデメリットは皮膚から修正した箇所の白膜につながる硬い癒着(ゆちゃく)ができることです。
これは平常時にはさほど気になりませんが、勃起時に白膜と皮膚のずれがその部分だけ起こらずにツッパリ感がでてしまうことがあります。
以前に屈曲修正術をお受けになられた方がこのように皮膚のずれが気になるといってご相談にこられることもあります。

当院の場合は、上記のようなことを踏まえて、基本的に亀頭直下を切開してアプローチしております。

屈曲ペニス(湾曲ペニス)治療は手術中に確認できます

手術中に当院独自技術である「NS paraerection」法によりペニスの屈曲修正具合をご一緒に確認することもできます。
ただし、手術中の状態なので弱い方にはお勧めしません。

屈曲ペニス(湾曲ペニス)手術の詳細

亀頭直下で切開します

亀頭直下を切開するので手術後の傷跡が目立ちません。

亀頭直下の包茎手術と同じ部分を切開します。
この位置で切開するので手術後の傷跡が目立ちません。

切開した後に、コレス筋膜、バック筋膜と切開していきます。神経を損傷しないように保護した後、陰茎海綿体白膜を切開します。

ちょうどバナナの皮をむくように、根元まで手繰り寄せるイメージです。

NS paraerection」法で詳細に評価します

「NS paraerection」法で修正位置をしっかりチェックします。

 

「NS paraerection」法で実際の勃起状態を再現して曲りの位置をしっかり特定します。
「NS paraerection」法で治療を行わない場合、術前の画像をもとに、推測で手術をすることになります。この方法の導入により格段に屈曲修正の精度が上がりました。

頂点部分で白膜修正を行うことによって曲りを修正します。

また、修正した後も「NS paraerection」法により勃起状態を再現して修正されているかを確認します。

一か所での修正が難しい場合は、二か所以上の縫合を行うこともあります。

修正箇所が増えても一方向の曲りであれば費用は変わりません。

ご希望があれば、この時にご一緒に確認することができます。

皮膚の縫合について

手術直後の状態です
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陰茎海綿体白膜の屈曲修正が終わり、まっすぐになったことが確認できたらバック筋膜、コレス筋膜を元に戻します。

最後に、亀頭直下で縫合します。

通院に問題がなければ美容的な側面を考えた縫合法(美容的精密縫合法)で細かく縫合します。
通常、より綺麗な傷痕にするために抜糸が必要ですがナイロン糸を推奨しております。
通院の難しい方は解ける糸で縫合することも可能です。

血腫および腫れ予防に包帯を巻いて終了です。

傷跡について

手術を受けるにあたって大きな心配事の一つが傷跡です。

包茎手術などを受けるとツートンカラーになってしまい、誰がみてもすぐにわかると聞いた(ネットに書いてあった)
というお問い合わせが毎日多くあります。

下の画像は当院手術方法での手術後6ヶ月後の一例です。まず普通はわからないと思います。
症例によってはもう少し綺麗な方ももう少し傷跡が目立つ方もいると思いますが一例として画像を参考にされてください。

亀頭直下法による通常の包茎手術後の状態です。

縫合部分を出した状態です。
傷跡はそれほど目立ちません。

裏筋の部分になります。
小帯温存形成を行っております。(少し創離開があったのかもしれません。)

屈曲修正手術の麻酔について

麻酔は下記から選ぶことができます。
屈曲修正手術の場合は点滴無痛麻酔がお勧めです。

  • 基本麻酔(局所麻酔+ブロック麻酔)
    • 陰茎の根元にブロック麻酔を行い、痛みを感じ無くした後に切開部分に局所麻酔を行います。ブロック麻酔を行う時に多少の痛みがあります。
  • 基本麻酔+マスク笑気麻酔
    • 基本麻酔を行う時の痛みを抑えるために、鼻マスクから笑気ガスを吸っていただきます。ボーっとしますが、意識はあります。
  • 点滴無痛麻酔(基本麻酔+静脈麻酔)
    • 基本麻酔時の痛みを取り去るために、点滴からリラックスするお薬を入れます。ウトウトした状態で麻酔を行いますので、ほとんど痛みを感じません。
≪ナースマンボイス≫
ブロック麻酔は陰茎の根元に局所麻酔を注入して陰茎全体に麻酔を効かせる麻酔法ですが、施術する医師の技術によってかなり痛みの差が出るところです。

手術後の一般的な見通し

治療後 しっかり包帯を巻きます
4日間は巻きっぱなしです
1週間後まで巻きます
通院 3週間後に抜糸
抜糸 3週間後
性行為 3週間後より可能です(個人差あり)
シャワー 翌日より可能です(患部を濡らさない)
4日目より可能です(患部を濡らしても大丈夫)
入浴 1週間後より可能です
激しい運動 2週間後より可能です
アルコール 1週間後より可能です

屈曲ペニス手術後の留意点(あり得る経過・合併症・リスクなど)

血腫(血液のたまり)

手術後に血腫(ヘマトーマ)が起こる可能性があります。血腫とは皮下に血が貯まってしまうことでいわゆる「たんこぶ」のようなものです。特に手術後48時間以内に起こりやすいです。
少量の場合はそのまま様子を見ることもありますが、大きくできた場合は血腫除去の処置を行います。縫合を外して、中に貯まった血の溜まりを取り出して止血をして、再び縫合します。
早めに対応すれば術後経過は非常に良いです。ただし、強い血腫をそのまま放置すると皮膚の血流障害がおこる可能性があります。

裏腫れ(うらばれ)

小帯(亀頭近くの裏筋)のあるあたりに腫れが強く出ることがあります。通常はでたとしても徐々に引いてきますが、形が残ってしまう場合もあります。気になる場合は、後日修正手術を行います。
潜在的な絞扼輪がある場合や中等度以上の包茎がある場合には屈曲ペニス修正術とともに包茎手術を合わせて行っておくと裏腫れが起きにくいです。

水泡

包帯を巻いていると、亀頭部に水泡が出現することがあります。自然につぶれてしまうことがほとんどです。きれいに治ります。

縫合不全

勃起などにより強いテンションがかかると、縫合が外れることがります。この場合、数時間以内であればもう一度縫い直すことは可能です。傷が開いたまま治癒を待った場合、思いのほかきれいに治ることが多いです。

感覚の違和感(鈍さ、痛みなど)

真の屈曲ペニス修正術は海綿体を包んでいる白膜を処置する手術です。白膜上の陰茎背面の真ん中付近には感覚神経が無数に存在しています。主なものはできるだけ温存するように手術を行いますが神経の全ての枝をすべて温存することは不可能です。
ですので、術後に感覚の鈍さや押すと部分的に痛いなどの違和感がでることがあります。感覚の鈍さなどは術後間もない頃はほとんどの方に出ると言っても過言ではありません。
末梢神経はゆっくりゆっくりの経過で改善してくることが通常ですので感覚の違和感も数か月の単位で回復することになります。
ただし、完全に回復しない可能性もゼロではありません。

皮膚の血行障害

術後の腫れの程度などによっては一部皮膚の血行不良などが起こることがあります。起こると皮膚のビランなどがおきますが、経過を診ながら皮膚が覆うのを待ちます。多くは思いのほか綺麗に回復します。

微妙な曲りや回転の残存

何度も何度も陰茎の形をチェックしながら手術を進め、終えますがそれでも微妙に曲りが残ったり左右の振れが残るなどがあり得ます。

また陰茎そのものの回転具合も残存することがあります。

屈曲修正箇所のシコリ

屈曲修正箇所を皮膚の上から触るとコロコロとした硬さを触れることがあります。

今までに気にされた方はいませんがご自身は修正手術を受けた名残を触れることになります。