早漏防止

こちらでは、早漏に対する知見およびその治療方法について述べていきます。

思うように射精がコントロールできずに生活の質が低下して困るため治療したいと考える方はたくさんいらっしゃいます。

その中でも射精までの時間が短すぎて困る場合と長すぎて困る場合がありますが、短すぎて困る「早漏」について述べていきます。

早漏治療に関する情報提供のみとなっております

早漏とは

一般的に早漏とは性交の際にパートナーが満足しないうちに射精してしまうことを言います。

早漏の定義は学術的に様々な定義が提唱されています。

それらの提唱を踏まえて国際性機能学会で2007年と2013年に専門家が集まって検討がなされました。

(参考)早漏の定義(国際性機能学会)

国際性機能学会の「早漏」の定義

「常にまたはほぼ常に挿入前または挿入後1分以内に射精することを特徴とする男性の性機能不全で、すべてまたはほぼすべての膣挿入で射精を遅らせることができないこと、さらに苦痛、煩わしさ、欲求不満および/または性的親密さの回避のような負の影響をもたらす」状態。

 the International Society of Sexual Medicine’s Guidelines

Premature Ejaculation: Definition

Premature ejaculation is a male sexual dysfunction characterized by

  • ejaculation which always or nearly always occurs prior to or within about one minute of vaginal penetration from the first sexual experiences (lifelong PE), or, a clinically significant and bothersome reduction in latency time, often to about 3 minutes or less (acquired PE), and
  • the inability to delay ejaculation on all or nearly all vaginal penetrations, and
  • negative personal consequences, such as distress, bother, frustration and/or the avoidance of sexual intimacy.

早漏の実際のご相談

国際性機能学会の早漏の定義によると1分間という時間が目安として示されていますが、実際には個々のパートナーによって必要十分な時間というのは変わってきます。

中には10秒程度しかもたないという方もいらっしゃいます。

早漏治療について

早漏治療は根本的な解決が難しいという現状があります。

治療方法には内服薬、外科的治療、行動療法などがあります。

内服薬による早漏治療

早漏治療の中でいくつかの国で承認されているのはダポキセチンという内服薬です。

ダポキセチンはうつ病に対する抗うつ薬(SSRI)の一種ですが、薬の代謝時間を短くした頓服用の内服薬で早漏治療を目的として販売されています。

その他、前立腺肥大症による排尿障害の治療薬として使用されるシロドシン(選択的α1-アドレナリン受容体拮抗薬)が早漏治療に有効であったとの報告もあります。

(当院では内服薬の処方は行っておりません。)

行動療法による早漏治療

早漏改善の行動療法としてスクイーズ法やストップアンドスタート法といわれる方法が報告されています。

行動療法では男性の興奮を抑えれえるように段階的に習得していく治療とされています。

(当院では行っておりません。)

外科的処置による早漏治療

早漏治療として外科的な方法がいくつか存在します。

例えば、亀頭増大術を兼ねた亀頭へのヒアルロン酸注入や陰茎の感覚を司る陰茎背神経遮断術(切離術)などです。

しかしながら学術的な観点からはそれらの有効性は証明されていません。

一般的な早漏防止にかかわる施術について

包茎手術

包茎手術

いわゆる仮性包茎の場合、常に包皮によって亀頭がカバーされているために、亀頭が刺激に対して敏感過ぎて早漏になっているケースが多くあるとよく言われます。

確かにそのようなケースもあるかも知れませんが実際には手術による陰茎の感覚低下が射精までの時間を長くしていることが多いと考えられます。
ご自身の都合で包茎を治療したいと思った時には場合によっては早漏も改善傾向になるかも知れないと考えるとよいと思います。

逆にいうと遅漏ぎみの場合はさらに遅くなる可能性もあるということになります。

亀頭増大手術

亀頭増大手術

亀頭を大きくしたい方が亀頭の注入術(亀頭増大術)を受けた時に感度が下がることがあります。

その反作用を応用して早漏防止を期待する方法です。

実際には効果に個人差があるため受けてみないと効果の実感具合が分からないというデメリットがあります。

また、効果の出る出ないが量に依存する可能性もあります。

陰茎背神経遮断術(陰茎背神経切離術)

陰茎の感覚をつかさどる陰茎背神経を部分的に遮断することによって陰茎に対する刺激を減少させます。

効果がでれば半永久的な効果が期待できますが、相応のリスクを伴うため十分な理解が必要になります。

早漏防止の第一選択としてはお勧めしません。

小帯切除

陰茎の中でできるだけ敏感な部分を鈍らせるという発想で小帯を切除する方法があります。
ただし、実際には感じ方には個人差がありまた早漏に関わる感覚は局所的な感覚であるという証拠はないためあくまでも部分的に感覚をおとしてみるという治療になります。
また、感覚は回復してくる可能性もあります。